世界選手権報告

カノミナミ2017年8月6日

大変遅くなりました!

今シーズンは今回の世界選手権で終わりです。結果は16位と今までで最高の成績でしたが、今はもっとできたのではないかという悔しさが残っています。
他の種目では男子フルーレが2人メダルを獲得しました。表彰台に立っている姿を見て正直、本当に羨ましかったし、悔しかったです。私も絶対にあそこに立ちたい、と強く思いました。

今回の世界選手権は出発の一週間前から体調も悪く、フェンシングの調子も悪かったです。コーチにも毎回”練習で集中していない”と注意され、世界選手権前の練習とは思えないほどでした。自分でもなんとかしないといけない、とは思っていても、何が悪くてそうなっているのかわからず、不安なままドイツに入りました。ドイツでの事前練習でもやはり調子が戻らず、アジア選手権のコンディションとフィーリングが良かっただけにとても不安で、今回はダメかもしれないと思っていました。

予選は勝たなければいけないと硬くなり、今までの試合の中でも上位にランクインするほど緊張し、体がブリキのようでした。本当にこの表現がぴったりという感じで、体を動かして試合に臨んだのに体が軋む感覚でいつものように動けず、ほとんど恐怖感しか感じない状態でした。結果は2勝3敗で、正直「世界選手権終わった。。。」と思いました。他の女子フルーレの選手は順当に勝って初日は予選のプールだけでダイレクトに64に入りました。私は64に入るために一試合15本勝負をやらなければいけませんでした。フィリピンの選手(MAXINE
ISABEL ESTEBAN)と戦って勝ちましたが、アジア選手権で戦ったときよりかなり苦戦しました。

なんとか64に残りましたが、予選の成績が悪かったので決勝トーナメントの一回戦は世界ランキング5位のアメリカの選手でした。コーチには世界ランキング8位以内の選手の中では一番勝てるチャンスがあると言われました。「自分はすごくラッキーだ。」と自分に言い聞かせる一方でそのチャンスを無駄にしたらどうしよう、ぼっこぼこにされたらどうしよう、という不安の方が正直大きかったです。

試合の前日に対戦相手のビデオを見て研究しましたが、それのせいで緊張感が高まり、心臓がばくばくして、前日はぐっすり眠ることができませんでした。

当日は前日まで暑かった会場が比較的涼しくなりました。
朝から緊張して心臓が止まりそうでした。こんなに緊張したのはいつぶりだろうという程で、手も足もガッチガチでした。
そんな状態で試合に臨みました。
体調も調子も良くなく、何より恐怖感と不安感が身体を支配している感じがして、挑戦とか、楽しむなんていう感覚は皆無でした。
しかしそのとき、以前タウバーで予選落ちした際にコーチに「調子が悪いからと言って、次の機会を待つのか、この試合が世界選手権だったらまた一年後、オリンピックだったら四年後まで待つのか」と言われたことを思い出しました。
調子が悪かったら調子が悪いなりにできることを最大限やろう、と気持ちを切り替え、また、諦めないことは調子が悪くてもできるから絶対に最後まで諦めないで戦おう、と決心して試合に臨みました。

気持ちはそのように持ててもやはり身体は気持ち悪い程動かず、絶望的な状態でした。序盤から自分のミスポイントで相手に簡単に点数を重ねられ、前半は7対2まで離されました。
負けたくないし、諦めたくなかったけど、諦めるしかない状態、状況でした。
本当に自分が自分じゃないようで、誰かに助けてほしいと、助けを求めたくなるほど絶望的な状況でした。
しかし自分で決めたこと、「絶対に最後まで諦めない」というただこの精神だけで戦いました。11対9で負けているときに、いつも調子がいいときに決まる攻撃をしましたが、相手の有効面を擦り、私のランプは点かず、相手のランプだけ点き、12対9になりました。いつもだったらそこで落胆し、心のどこかで”相手は世界ランキング5位だし”と自分に言い訳し、妥協して諦めていました。
しかし今回は何があっても最後まで!と自分を奮い立たせて戦いました。フェンシングの試合内容は正直めちゃくちゃでしたが、そこから逆転し、15対13で勝つことができました。
終わった瞬間諦めないで戦ってよかった、と思ったし、諦めなければ奇跡が起きるのだな、と感じました。本当にあのコンディションと試合内容でよく勝てたな、と自分でも本当に不思議に思います。今回の世界選手権は気持ちという面で一回り強くなり、自分の古い考え方を捨てて行えば、今まで経験したことのない新しいものを得られる、ということを感じました。

ベスト8がけのフランスの選手との試合も試合内容は納得いくものではなく、終わった後に後悔するポイントがたくさんありました。しかし、いつもなら折れてしまう気持ちを奮い立たせて最後まで戦えた、ということが自分にとっては大きな収穫だったと感じます。

技術は世界一になるまでまだまだ足りないので、コツコツ練習して技術も高め、その技術をいつも100%出し切れるように頑張っていきます。

今回の試合はまだまだできる、と感じると同時に、やっぱり何かが足りないと感じる試合でした。メダルを獲得した選手との差があまりにもある、と感じましたが、それが何なのか、まだはっきりわかりません。そこを研究し、もっと世界で活躍できる選手になりたいです。

今シーズンのシニアの大会はこれで終わりですが、8/15から台湾で行われるユニバーシアード大会に行ってきます。明日から合宿なのでユニバーシアードに向けて頑張っていこうと思います。

また、一昨日まで妹のインターハイで監督をするため、気仙沼に行っていました。妹は残念ながら4位でした。来年のインターハイはさらに上を目指して頑張って欲しいです。
また、母校の仙台三高の女子も団体戦に出場していました。(女子の団体戦はインターハイ初出場)残念ながら一回戦で負けてしまいましたがとても惜しい試合でした。母校の三高が頑張っている姿を見て、試合を応援することができて嬉しかったです。

今シーズンも最初から最後までご支援、ご声援ありがとうございました。
現時点での世界ランキングは23位で、目標の16位以内にまで届きませんでしたが、来シーズンは世界ランキング16位以内、ワールドカップでのメダル獲得を目標にまた一から足りないところを強化しながら頑張っていきたいと思います。
いつも試合前後に温かく、また、熱いメッセージ、ありがとうございます!期待に応えられるように、2020の東京で最高の姿をお見せできるように来シーズンも頑張っていきます!!!