ドイツ大会結果ご報告

カノミナミ2022年5月2日

応援ありがとうございました!
最終結果37位でした。

試合はトーナメント初戦で負けてしまい、上り調子だっただけに、とても悔しい結果になりました。
今回トータルで3週間ヨーロッパに滞在し、2大会に出場しました。
1大会目のセルビアではオフェンスを課題として練習してきたことがうまくでき、満身創痍になりながらも予選全勝、ベスト16までなんとか進めました。
しかし、課題も多く残り、2週間後の試合までに修正できるのか、あまり自信もなく、とにかくできることをやろう、とドイツに移動してからも練習に励んでいました。
体力的な部分の課題や、体調、技術的な課題など多くあり、特に体力的な部分への不安が大きくありました。
体力的な部分は課題と分かっていても実際に数日で何とかなるものではないし、どうしようもないな、と正直思っていて、今できる範囲で、喘息や貧血などの部分は薬でカバーしながらとにかく体調をベストにしてあとは気合と根性で戦うしかない、と思っていました。
ドイツに着いてからの練習も体力的にかなりしんどく、試合を戦い切れるかな、とかなり不安がありました。
また、練習している中でオフェンスに関しては日本で練習してきたことの精度を出来るだけあげようと練習していましたが、ディフェンスに関しては自分の中であまりうまくできていない感覚があり、海外の選手の試合を見たり、いろいろ試してみたり試行錯誤していました。
ドイツでの試合直前、一番最後の練習の時に、ディフェンスのやり方を少し変えてやってみると、うまくいくことが多く、不安が少しなくなりました。

予選では一試合目の直前、とても緊張しましたが、試合が始まると、自分が気をつけなければいけないところ、昨日練習でやったこと、の二つだけに集中してプレーしました。
オフェンスの部分はまだまだ練習を始めたばかりで、世界で戦うにしてはレベルが赤ちゃんくらいですが、今はきっと経験を積んでやればやるほどうまくできるようになるな、という感覚があるので焦らずやっていこうと思います。そのオフェンスの調子が悪くなく、試合を全体的に自分のペースで進めることができました。また、ディフェンスも練習でやった方法がマッチし、心に余裕もできて、ものすごく久しぶりに、フェンシングって楽しい!と思って戦うことができました!
予選は全体的に自分のペースでコントロールでき、全勝して翌日に進むことができました。

予選全勝するのはセルビア大会がフェンシング人生で初めてでしたが、セルビアでは、なんとか全勝できた、という感覚でした。
今まで本当に課題だった予選(5本先取)を自分でコントロールして、勝つ感覚、というのが今回少し掴めて、次も同じ感覚でやってみよう、と自信になりました。もちろん全てがうまくいくことは少ないですがうまくいくことを増やしていって確実に勝てるようにしていきたいです。

2日目のトーナメント初戦は本当に悔しい結果になりました。
序盤からうまく相手の癖が掴めず、苦戦しました。予選で決まっていたオフェンスがうまく決まらず、そこで少し自信を失ってしまいました(やっぱりあんまり練習してないから決まらないのかな…という思いが少しよぎってしまいました)。練習してきたことを徹底してやれば良かったのですが、うまくできなかったことで、予選とは少し戦略を変えてしまい、自分の中でうまく噛み合わなくなってしまいました。
途中、3点リードされ、追いつきましたが、また3点リードされ、逆転することができました。
逆転し、1点リードしている状態の次の1点が審判のジャッジで相手のポイントになってしまい、またそこから崩れ、そのまま負けてしまいました。
もちろん絶対に勝ちたい試合でしたが、試合展開の中で点差を離されても落ち着いて計画的にしっかりと追いつく、という部分がうまくできました。今まではとにかく無我夢中で、気合いでとり返す!みたいな感じでしたが、その感じではなく、確実に一本、ミスをせず、失点せずに一点を取る、というところに集中して、それが実際にうまくできたので、結果、負けてしまいましたが、次につながる試合にはなりました。
また、心配していた体力面はディフェンスの方法を少し変えたことで想像以上に楽になり、自分が試合をコントロールするとこれだけ楽になるんだと、新発見がありました。
今まで体力的な問題だと思っていた部分がフェンシングを少し変えることで、改善されました。
もちろんこれから世界でメダルをとるためにはもっと体力も技術も底上げしていかなければならないのは間違いないです。
ただ、全く戦えないほど体力がないわけじゃない、と思ったら少し安心して次の大会に向かえます…笑

今回の大会は結果は全く納得のいくものではなかったですが、今は結果に執着しすぎずに自分のペースで自分が今足りないところを練習し、うまくできているところをもっと精度を上げられるように練習するのみだと思います。
フェンシングを長年やってきて初めて世界で私も勝てるかもしれないと思えた3週間の遠征でした。
一度は(いや、何度もか笑)引退を考えましたが、今まであまりなかった、まだまだできるな、という感覚を掴むことができて本当にここからだな、と気が引き締まりました。
また、フェンシングを始めたころの、フェンシングが楽しい、試合が楽しい、もっとフェンシングをしたい!という感覚を本当に久しぶりに感じることができたことが嬉しかったです。
絶対に結果を出さなければいけない、昔の成績以上は出さないと周囲の信頼を取り戻せない、とフェンシングと結果に追われてばかりでしたが、今は日本に帰ればしっかりと指導してくれるコーチがいて、結果よりもいつも安全と健康を願ってくれる会社の皆さんや、応援してくれる方々がいて、本当に恵まれたフェンシング人生を送れていると思います。
いつも環境には恵まれていましたが、だからこそ結果を出さないと、という思いが消えませんでした。
今はそうではなく、結果はもちろん選手としてやっている以上、最も重要な指標ではありますが、自分が成長できている感覚を大事にし、練習してきたことをしっかりと発揮して、フェンシングをするだけだと思っています。
結果を出せないことを責めるのではなく、何が原因で負けたのかだけは毎回しっかりと反省したいと思います。

全体的に良くなってきているように感じます。周りがなんと言おうと、信頼できるコーチと応援してくれる人たちと、自分を信じて自分のペースでできることを毎日最大限頑張りたいと思います。
いつも支えて下さり応援して下さりありがとうございます!
これからも一歩ずつ頑張ります!

次は再来週韓国です!

狩野愛巳